SIMカードって? /スマホを選ぶ際に必要な機能やスペックの見方や知識を必要なことだけイチから話します。
スマートフォンや携帯電話にはSIMカードというIDカードのようなものが入っている。
SIMカードにはそのSIMカードがどの国のどの通信会社に属するものかが区別できるIMSIという番号が書かれていて、例えばSIMカードが電波をキャッチしようとしたときに、そのSIMカードがその電話網にアクセスできるかどうかを判断したりしている。
またSIMカードには電話番号も記述されている。
だからスマホ端末に入っているSIMカードを取り出して他のスマホ端末に差し替えても同じ電話番号が使える。
ただ、スマホの中に抜き差し可能なSIMカードというものが入っていることを知らないという人もとても多い。
だってそんなもの取り出したことないし。
これには一つ理由があって、例えば車を買う時、トヨタや日産やホンダなど、どの車会社の車を買うか、またその燃料としてどのガソリンスタンドチェーンのガソリンを入れるかは自由なように、本来スマホにおいても、どのメーカーのスマホを買って、どの通信会社のサービスを契約するかは別個のもののはず。
ところが日本ではそういった感覚を持つ人は少ない。以前であれば「iPhoneが欲しいならソフトバンク」のように。
これはまだ通信規格やサービス内容が画一的でなかった携帯電話黎明期に遡る話になるけれど、当時は各通信会社(キャリア)が電波のネットーワークやシステムというインフラから、それを人々が使えるようにするための携帯電話端末まですべてを開発する必要があった。
するとキャリアは携帯電話端末は開発できないので、自社に合った製品をメーカーに開発してもらうことになる。
こうしてキャリアがメーカーに製品を発注し、納められた製品をキャリアが独占的に販売する構図が出来上がる。
またキャリアもメーカーも開発にかかった費用を安定して取り返すために、SIMにロックをかけ、自社で販売したスマホ端末とSIMカード(通信)のセットに縛りをかけ、端末代金と通信代金の区別を意識しにくい料金体系にし、最低契約期間2年などのように設定した。
こうした結果「ドコモショップに行ってドコモと契約するのに店内のドコモ専用端末から選ぶ」ということになり、人々の間に端末と通信がセットという知識を植え付けた。
まさかソニーストアに行って好きなエクスペリア買って、気が向いた通信会社と契約しようとは思わなくなる。
SIMカードを自分で抜き差しするということもないので、「店員さんが何やらピンセットのようなものを使って初期設定してたなー」くらいの印象しかなくなるのである。
最近よく聞くようになったSIMロック解除というのは、本来は(端末にその種の電波をキャッチするアンテナがついていれば)どの通信会社のSIMをどのスマホで使っても自由なのだけれど、これを販売者側がロックしているせいで制限かかっているので解除しましょう。端末料金と通信料金を分離して、顧客の流動性を促すとともに過度な販売奨励金(キャッシュバック)をやめて個々の利用にあった適切な通信料金にしましょうということ。
これと機を一にして通信事業への参入障壁が低くなり、いわゆる格安スマホの会社がたくさん登場した。・・・が結局SIMもわからなければ今のスマホもどうなるのかわからないという人がいるのが、このブログを始めたきっかけだったりする。